稲盛経営の現代的意味を考える研究会

本研究会は、稲盛経営を自社の経営に活かしたい経営者・経営幹部・実務家と、稲盛経営を学術的に探究する研究者とが交流し、学び合う場として設立されました。
理念と実務を結びつけ、未来志向で稲盛経営を発展させることを目指しています。

稲盛経営の現代的意味を考える研究会とは

2015年に設立された立命館大学稲盛経営哲学研究センターは、早稲田大学イノベーション・ファイナンス国際研究所の協力のもと、2025年までの10年間にわたり、稲盛経営哲学の体系化・普遍化・一般化に取り組んできました。その成果として、稲盛経営は経営学のあらゆる分野を網羅し、相互に結び付けて機能する統合的な体系であり、国際的にも認知され得る経営の枠組みであることが明らかになってきました。

こうした研究成果を未来につなげ、多くの企業現場で稲盛経営が実践されるようにするためには、学術的知見を経営者に活かしていただくと同時に、経営者の実践から得られる知恵を研究者の探求に還元するという双方向の交流が不可欠です。

そのため、このたび早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センターのもとに「稲盛経営の現代的意味を考える研究会」を設立しました。本研究会は、研究者と実務家が互いに学び合う交流の場を提供し、稲盛経営を未来志向で深化・発展させる挑戦を続けてまいります。

このWEBサイトについて

本研究会は、稲盛経営を自社の経営に活かしたい経営者・経営幹部・実務家と、稲盛経営を学術的に探究する研究者とが交流し、学び合う場として設立されました。理念と実務を結びつけ、未来志向で稲盛経営を発展させることを目指しています。このWEBサイトでは、

  • 研究会設立の背景や趣旨
  • 稲盛経営哲学に関する基本的な考え方
  • 組織構成や活動内容(シンポジウム、ワークショップなど) をご紹介しています。

さらに、会員申込やお研究会についてのお問い合わせを受け付けるほか、会員の皆さまからの稲盛経営に関する質問や、研究会の活動への提案、このWEBサイトに掲載してほしいニュースや資料のご提供も受け付けています。
本WEBサイトを通じて、研究会の理念や活動に触れ、稲盛経営を共に探求し、実践する仲間とのつながりを広げていただければ幸いです。

稲盛経営に
関する重要概念

心の共鳴によるスパイラルアップ

稲盛経営では、経営者の心、従業員の心、そして組織文化が互いに共鳴し合い、相互に影響を及ぼすことで全体が高まっていく構造が強調される。
この共鳴は単なる一方向的な伝達ではなく、経営者の姿勢や理念が従業員に響き、従業員の共感と実践が組織文化をつくり、その文化が再び経営者や従業員の心を高めるという循環を生み出す。
このスパイラルアップによって、組織全体がより高い次元へと成長していく。さらに、その営みが宇宙の意思(普遍的な道理)と調和することで、組織自体が宇宙からの後押しを得られる。

フィロソフィ・リーダーシップ・経営成果の相互強化サイクル

経営者が中心となってフィロソフィ・理念を精緻な経営システムを通じて実践に反映させることが不可欠とする。理念が単なる理想論で終わらず、具体的な仕組みとして実践に落とし込まれることで、高い業績が生まれる。

そして、その高い業績が理念への信頼を一層強め、従業員のモチベーションやワーク・エンゲージメントをさらに高める。この「理念→実践→成果→信頼→意欲」という好循環が、稲盛経営を特徴づける。

①規範②実践③好業績④コミットメントが繰り返され、スパイラルアップで強化されていく

運営組織

「稲盛経営の現代的意味を考える研究会」は、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センターの研究交流事業として設立され、研究者と実務家の架け橋となる活動を進めています。研究会は、以下のメンバーからなる運営委員会によって運営され、稲盛経営の探究と普及・実践を推進しています。

運営委員会メンバー

樋原 伸彦
樋原 伸彦

早稲田大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール) 准教授
早稲田大学総合研究機構 イノベーション・ファイナンス国際研究所 所長
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター「稲盛経営の現代的意味を考える研究会」代表者
日本エフェクチュエーション協会代表理事

東京大学教養学部教養学科(国際関係論)卒業、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。世界銀行コンサルタント、通商産業省通商産業研究所(現・経済産業省経済産業研究所)
客員研究員、米コロンビア大学ビジネススクール日本経済経営研究所助手、カナダ・サスカチュワン大学ビジネススクール助教授、立命館大学経営学部准教授を経て、現職。米コロンビア大学でPh.D.(経済学)を取得。専門はファイナンス及びアントレプレナーシップで、関心は起業家、更に、VCなどの新事業への資金提供者の意思決定方式。稲盛フェロー(2008-2009)。稲盛氏との接点を契機に、稲盛経営のグローバルかつアカデミックな視点からの再構築を目指す。

青山 敦
青山 敦

立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科 教授
国立大学法人鹿児島大学稲盛アカデミー 客員教授
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター 招聘研究員

京都大学大学院化学工学専攻修了後、三菱総合研究所で社会課題と先端技術を結ぶシステムズアプローチ研究に携わる。米国パデュー大学にてPh.D.を取得後、ロンドン大学インペリアルカレッジ、東京工業大学で、大規模かつ複雑なシステムの生産管理・安全管理・維持管理に関する研究を推進。2005年より立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科教授として、人工知能・情報工学を企業経営へ応用する研究を展開。また、2025年まで、立命館稲盛経営哲学研究センター長として稲盛経営の体系化・普遍化・一般化の研究を行ってきた。現在、稲盛経営を現代に活きる経営知・実践知として体系化し、成果に結びつく実践に適用する取り組みを推進している。

山岸 典子
山岸 典子

立命館大学グローバル教養学部 教授
(国立研究開発法人)情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター 特別研究員
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター 招聘研究員

認知神経科学者。パデュー大学にてPh.D.(認知心理学)、マギル大学デソーテル経営学部にてMBAを取得。カリフォルニア大学サンディエゴ校(医学部)、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校(心理学部)での研究活動を経て、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)および情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター(CiNet)にて視覚注意にかかわる脳ダイナミクスの研究に従事。現在は立命館大学にて、脳活動計測と心理物理学的手法を用いた認知プロセスの解明に加え、感謝感情が動機づけやワーク・エンゲイジメントに及ぼす効果の実証研究を推進している。科学的エビデンスと経営哲学を架橋し、人がより豊かに働き、生きるための知の社会実装を目指している。

設立の背景~稲盛経営の普遍性と実践の困難さ~

  • 稲盛経営哲学は、野中郁次郎一橋大学名誉教授の「ワイズカンパニー」の理論・モデルをはじめ、エフェクチュエーション、両利きの経営、サーバントリーダーシップ、CSV(Creating Shared Value)といった比較的新しい経営理論とも接点を持ち、その考え方において普遍性を有している。
  • さらに、稲盛経営哲学が前提とする人間観には、認知科学・心理学・脳科学の研究成果とも通じる部分があり、科学的な裏づけをもって説明できる要素も存在する。
  • 国内外の企業でも価値観に基づく経営の独自の取り組みが進められている。また、JALやKDDIをはじめとする稲盛和夫氏が関係した企業においても稲盛経営は独自の発展を遂げてきた。これらに共通する部分を整理・普遍化することで、多様な企業において実践可能な経営モデルとなり得る。
  • しかし、そのような可能性がある一方で、稲盛経営の実践に困難を感じる経営者は少なくない。理念としての理解は広がっているものの、それを具体的に経営に落とし込み、異なる文化背景・事業環境・業種・規模の企業に適用するための方法論は、いまだ十分に確立されていないのが現状である。
  • この課題を克服するためには、企業と研究者が緊密にコミュニケーションを取り合い、実践と研究を往還させながら探求を進めていくことが不可欠である。そのような背景のもと、本研究会は設立され、稲盛経営の現代的な意味を問い直し、未来に向けて深化・発展させる活動を展開していく。

使命・ビジョン・行動規範

使命

稲盛経営の探究と普及・実践を通じて、すべてのステークホルダーにとって「良い経営」を実現する。

ビジョン

稲盛経営を未来志向で成長・発展させるために、研究者と実務家が自由に議論し、学び合う開かれた場となる。

行動規範

  • 常に「稲盛和夫氏ならばどう考え、どう行動するか」という原点に立ち返る。
  • 「人間として何が正しいか」「利他の心」を規範とし、すべての人々に役立つ活動を行う。
  • 研究会に参加するすべての人を同志と捉え、心と心の結びつきを大切にする。
  • 稲盛経営を成長・発展させる強い思いを持ち、常に創意工夫を重ね、創造的な研究会運営を実践する。

入会のご案内

「稲盛経営の現代的意味を考える研究会」では、稲盛経営の理念と実践を深め合い、現代の経営課題に応用していくために、多様な立場の方々にご参加いただける会員制度を設けています。

会員区分と会費・特典

会員種別 年会費 主な特典
賛助会員 25万円/年(一口) 研究会・セミナーへの参加、質問回答サイトでの投稿・閲覧、研究資料のダウンロード
有料会員(個人・企業)※定員80名 1万円/年 研究会・セミナーへの参加、質問回答サイトでの投稿・閲覧、研究資料のダウンロード
学術研究会員 無料(運営委員会の承認が必要) 研究会・セミナーへの参加、質問回答サイトでの投稿・閲覧、研究資料のダウンロード

※会の年度は 4月から翌年3月末 までです。入会時期に関わらず、会費は同一です。

入会に関するよくある質問

研究会に入会するにはどうすればいいですか?
本WEBサイトの「入会申し込み」から必要事項をご記入のうえ送信してください。
運営委員会にて確認後、入会のご案内を差し上げます。
会員になるとどのような活動に参加できますか?
定期的に開催される研究会やセミナー、ワークショップにご参加いただけます。また、実務家や研究者と交流することで、自社経営や研究に役立つネットワークを広げることができます。
会員特典の「稲盛経営に関する質問回答」とは何ですか?
「稲盛経営の現代的意味を考える研究会」では、会員の皆さまからの質問に学術研究者が各自の見識に基づいて回答する仕組みを設けています。質問は、経営理念をどう実践に活かすか、アメーバ経営の導入の悩み、人材育成や組織文化づくりの課題など、現場で直面する具体的な問題も含めて投稿いただけます。会員非会員共通の質問フォームからご質問下さい。会員からの質問には個別に回答いたします。質問回答の中で普遍的な学びに繋がる内容については、匿名化・一般化した形でFAQに整理し、会員のみが閲覧できる知識の蓄積として共有します。この仕組みにより、会員は他の会員の質問や議論の内容からも学ぶことができ、理念を実務に活かすための実践的な知恵を得ることができます。

稲盛経営の現代的意味を考える研究会会則

(名称)
第1条

本会は,「早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター稲盛経営の現代的意味を考える研究会」(以下「稲盛経営の現代的意味を考える研究会」という.)と称し、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センターに設置する。

(目的)
第2条

研究会の目的は、次の通りである.

  1. 稲盛経営哲学に関する研究及びその普及
  2. 稲盛経営哲学に関する研究者及び企業人の交流の場の提供
  3. 稲盛経営哲学に関連する団体との連携
(事業)
第3条

研究会は、前条の目的を達成するため、以下の事業を行う.

  1. 研究会・セミナー等、稲盛経営哲学の研究と実践に有益と思われる会合の開催
  2. 研究者や企業人の稲盛経営哲学に関する交流のためのサイトやイベントの運営
  3. 稲盛経営哲学に関連する団体との交流及び協力
  4. その他,運営委員会において本研究会の目的を達成するために適切と判断された事業
(会員)
第4条

研究会は稲盛経営哲学の研究と実践に十分な関心を持つ者をもって組織する。

  1. 会員は、運営委員会の定めた会費を納めなければならない。
  2. 研究会に入会するためには、運営委員会にて承認されなければならない。入会希望者は,規定の書式に従って必要事項を記載して申し込まなければならない。
  3. 会員は研究会及び総会に出席する権利を有する。
  4. 会員が、会費を意図的に継続して滞納したり、又は研究会の主旨に沿わない行為をなしたりしたときは、運営委員会は当該会員に退会を勧告することができる。
  5. 勧告によるもの本人申し出によるものにかかわらず会費の返金は行わない。
(組織)
第5条

研究会運営のため、運営委員会を設置する。

(総会)
第6条

研究会は、会員に向けて、年1回会員総会を開催する。

  1. 運営委員会は、総会において事業及び会計を報告する。
(会計年度)
第7条

研究会の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。

附則

本会則は、2025年4月1日から施行する。

「稲盛経営の現代的意味を考える研究会」
入会申込フォーム

会員種別

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(法人の場合は代表者名)
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生年 (例:1975年) 年生まれ
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(ご連絡・入会確認に使用します)
メールアドレス(確認用)
会費請求先名
請求先郵便番号
請求先住所
電話番号
コメント・特記事項
  • 会の年度は4月から翌年3月末までです。入会時期にかかわらず、会費は同一です。
  • お申込み後、事務局より確認のご連絡と、銀行振込による会費のお支払い方法をご案内いたします。
  • 送信すると入力内容のコピーが、メールアドレスに自動送信されます。
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